『劇場』を「沙希の自立の物語」に読み替えた松岡茉優のシュートと、山﨑賢人のアシスト

松岡茉優の挑戦をアシストしたのは山﨑賢人の衛星的演技だと思う デジタルフライデー様で映画『劇場』について書かせていただきました。 friday.kodansha.co.jp 「原作と読み比べた差異で初めて見えてくる映画版の意図がある」ということは色んな場面であっ…

劇団ノーミーツ『むこうのくに』「必要は文化の母」誰も演劇ができない状況下に「誰にでもできる演劇」の胎動

ZOOM演劇という新しい形式だからこそ王道のジュブナイルSF 最近、と言っても去年だけどnoteはじめまして、前半そっちで書きました。これはその続き。よかったらそっちも読んで見てください note.com noteにも書きましたけど、これとてもよかった。ZOOM演劇と…

『のぼる小寺さん』 「憧れ」ではなく「尊敬」を吉田玲子脚本が描くボーイ・リスペクト・ガール映画の名作

『けいおん!』『ガルパン』『リズの青い鳥』の吉田玲子脚本で実写化した青春映画の傑作 デジタルフライデーで「のぼる小寺さん」の記事を書かせて頂きました。 friday.kodansha.co.jp 記事にも書いたけど元モーニング娘。工藤遥、想像以上に良かった。初主…

リバイバル上映『ジュブナイル』20年を経ても褪せない輝き

神保町シアターで映画『ジュブナイル』がリバイバル上映されている。これを書いているのが16日で、公開は17日までだから、ちょっと間に合わないかもしれないが、改めて映画館で見て素晴らしい映画だった。 この映画は特撮CG屋だった山﨑貴監督の初監督作品、…

能年玲奈映画復帰作『星屑の町』と、五輪延期の巨大な空白時間に待ち望まれるNHK復帰

friday.kodansha.co.jp 講談社デジタルフライデーで、能年玲奈さんの6年ぶりの劇場映画復帰作『星屑の町』について書きました。 記事にも書いたのですが、新宿で予定されていた公開記念舞台挨拶は新型コロナの自粛要請で中止。港北イオンシネマでも1席ごとに…

映画『初恋』感想。「弱者と強者」の視点から東映ヤクザ映画のルネサンスに成功した大傑作!韓流華流ハリウッドとも戦える名作の誕生

延期になったドラえもんとしまじろうの席割りを『初恋』にわけてくれ! どうしても今、この瞬間に全力で薦めたい映画というものがある。たとえその映画が冒頭から生首が切り落とされる暴力描写でPG12にレートされていても。たとえ世界を覆うコロナウィルス騒…

週刊はてなブログ様でインタビュー記事を掲載していただきました

blog.hatenablog.com はてなブログのことをはてなブログで告知するのも変な気分ですが、週刊はてなブログ様でインタビュー記事を掲載して頂きました。 ブログを始めたのはちょうど去年の2月だったと思うのですが、「モーメントの倉庫になってしまうかな」と…

炎上している『バイバイ、ヴァンプ』の劇場に出演者の女性ファンがほとんど来てなかった話

16人だった。ちゃんと数えた。『バイバイ、ヴァンプ』公開3日目の日曜日の夜、ユナイテッドシネマお台場のスクリーン5、114席である。ただの16人ではない。人口1000万人の東京都でこの映画を上映しているのは、このユナイテッドシネマお台場のスクリーン5だ…

映画『ナウシカ歌舞伎 ディレイビュー』一週間限定!めちゃ面白い。誰もが知る名作の「翻訳」が自然に教える歌舞伎の文法

ナウシカ歌舞伎を映画館で見てきた。1週間限定で、前後編のうち前編である。4300円。破格の値段だ。しかも3時間15分ある。前編だけで3時間である。途中に15分の休憩がある。インド映画みたいである。 しかしこれがめちゃめちゃ面白かったのである。4300円、…

映画『ヲタクに恋は難しい』ネットで総叩きだが、オタクをバカにしてるのではなく、他者との「恋の難しさ」ときちんと向き合ったオタク讃歌だと思う

毎回毎回叩かれてる映画のことばっかり書いてる気がするが、映画『ヲタクに恋は難しい』が袋叩きになっている。ツイッターの批判ツイートのRT数は2.8万。(追記:その後削除された。別に消さなくてもいいと思うがバズりすぎたのが理由とのことである)比較に…

映画版『CATS』は本当にそこまでバカにされるような映画なのか?という話

普通に面白い。配給は洋ケモナー映画として細田守監督に推薦をもらうべき 劇場映画『CATS』がバカにされまくっている。何しろ欧米でも酷評大喜利みたいなのをやっているらしく、我らが欧米崇拝ジャポンも本家があれだけバカにしているのだから、と安心してバ…

映画『午前0時、キスしに来てよ』アニキャラ実写無双の橋本環奈ちゃんに「何の取り柄もない平凡なJK」の役

僕の映画感想は橋本環奈ちゃんの『セーラー服と機関銃』をツイッターで絶賛したところから始まっている。これである↓ twitter.com 『セーラー服と機関銃』は興行的にはあまりヒットせずいろいろ言われたりしたものの、その後の橋本環奈ちゃんの女優業は高確…

塚原あゆ子監督が『アンナチュラル』と『コーヒーが冷めないうちに』という正反対の2作で見せた仕事について

…描いてはみたもののこの絵、有村架純と石原さとみに全然見えないな。まあこれは似顔絵と言うより有村架純と石原さとみのメタファーだから。いつか画力上がったらちょっと描き直すわ。 えー、『りっすん』様で、女性クリエイターの仕事について書かせて頂き…

映画と関係なくて恐縮ですが、突然ながらわたくしCDBはNHKのクローズアップ現代+のネット企画に参加することとなりました。

詳しくはNHK公式のツイートを引用させていただきます。 NHK「クローズアップ現代+」公式 ✔@nhk_kurogen 今日から金曜まで、#急上昇現場 行ってみた という新しい取り組みを始めます。注目するのは「トレンドワード」。言葉が生まれた現場を5人のディレクタ…

映画『IT THE END それが見えたら終わり』感想。ジョーカーが多数派になってしまう社会の中で自分の心の闇と戦うかつての子供たち

今年のハロウィンのコスプレではジョーカーが大人気だった。まるでもうジョーカーの方がスーパーヒーローで、バットマンがヴィラン(悪役)みたいな雰囲気だ。どう見てもアーサーとはかけ離れた社会的に強い立場の人たちを含め、誰もかれもがジョーカーに自…

映画『お嬢ちゃん』感想。短編映画『正しいバスの見分けかた』でも輝いていた女優・萩原みのりが主演長編で名演、一躍スターダムに

リアルサウンド様で映画『お嬢ちゃん』について書かせていただきました。 realsound.jp 記事でも書いたんですが、萩原みのりさん、なんで今までスターになってなかったのか不思議なくらい演技が上手い。モデルでも即時成功しそうなくらい華があるし。 今や日…

映画『惡の華』感想。女優・玉城ティナがこの世に生まれ直したようなバースデーシネマ。予告編のイメージを裏切る切実で人間的な物語。

モデル雑誌の表紙を飾る時、写真の中の玉城ティナはいつも完璧な美少女に見える。全芸能界を見回しても二人といないのではないかと思うほど大きく印象的な目。「人形のよう」「絵から抜け出したよう」と観客によく形容されるそのルックスは、彼女をあっとい…

『なつぞら』について文春オンラインに描き切れなかったあれこれのこと

最終回によせて、文春オンライン様で『なつぞら』について書かせて頂きました。 bunshun.jp 書きたいことはほぼ上の記事で書いたのですが、文字数的に入らなかったこともあれこれ。 『なつぞら』ってたぶん、視点によって賛否がわかれるドラマだと思います。…

わずか25分間の短編映画『正しいバスの見分けかた』全席完売からシネマート新宿で再公開へ。関西弁の中条あやみは界王拳のごとく演技力が数倍になる

明日、9月13日からシネマート新宿で、一週間限定で『正しいバスの見分けかた』という映画が上映される。わずか25分の短編なので、『なれない二人』という別の中編映画との同時上映である。この作品は今から四年前、群馬県の「伊参スタジオ映画祭」において、…

色々なアレで宣伝が非常に難しくなっちゃっていた『台風家族』がまさかの大傑作だった件

そもそも最初から「つよポン主演」という時点で色々な方面の色々な圧力がアレしてるところにですね、まあ共演Aさんの目下公判中でしかも罪状否認で推定無罪という非常に言及するのも難しい状態の問題が加わっちゃいまして、そんなこんなで延期になってた「台…

映画『アラジン』感想。これはディズニー版の『さようなら、ドラえもん』なのだと思う。

『アラジン』は6月7日日本公開の映画で、今日は8月20日である。今まで何やってたんだよお前、と言われるかもしれないが、あまりにもヒットしているからどうせロングランするだろう、もっとガラガラになってから見ようと思っていたら全然ガラガラにならないま…

【舞台観劇】『THE BANK ROBERRY』感想 桜井玲香キャプテンの演技の切れ味やっぱすごくね?

乃木坂卒業が9月で決まっている桜井玲香さん、女優として大化けすると思う 今回は映画ではなく、演劇の感想です。新国立劇場で『THE BANK ROBBERY』を見て来ました。元々はイギリスの戯曲を日本版にかなりアレンジした銀行強盗計画をめぐるドタバタコメディ…

一晩寝て冷静に考えてみた『ドラゴンクエスト ユアストーリー』どこが良くてどこがダメだったのか

一晩考えましたが、要するにこういうことじゃないかと思うんですよね どうも一昨夜は取り乱しまして失礼しました。↓ www.cinema2d.net 書いた記事に嘘はないものの、どうも映画を見た人同士の共有や反論ではなく「見てないけどこういう内容なら見なくていい…

映画『ドラゴンクエスト ユアストーリー』感想。というか罵倒。大人の作家的虚栄心のために子供の観客を踏みつけちゃダメ。

僕は基本的に駄作をいじって笑う、とか、失敗作をみんなでボコボコに叩くというノリがあんまり好きではない。創作なんて基本的に嘘っぱちなんで、ぶっ壊そうと思えばどんな名作だってグチャグチャに批判できるわけである。誰かが必死に書いて震える手で差し…

映画『天気の子』感想。ポストジブリの期待からあえて距離を置く新海誠監督ら若手の俊英たち。あと『空母いぶき』『新聞記者』『天気の子』の3連発に出演する本田翼のアナーキストぶり

たぶん国民が見たかったのは『ラピュタ』みたいなやつだよ!でも名作 『天気の子』のネタバレを含みます。タイトルがネタバレっぽかったので直した。 リアルサウンド映画部様で『天気の子』の記事を書かせていただきました。まずはこれ、正直にポジティブな…

『凪待ち』の香取慎吾の演技にさす深く暗い影と、ある『王の死』についての話

6月28日の公開からずっと、映画『凪待ち』に主演した香取慎吾への絶賛が続いている。最初から興行規模は大きくなく、内容も家族連れやカップルが喜ぶような楽しいものではないにも関わらず、観客動員も好成績を上げている。本来『凪待ち』は単館やミニシアタ…

映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』感想 少女漫画とフェミニズム、メントスコーラのごとく天まで噴き上がる山戸結希ワールド

映画には清水尋也、間宮祥太郎、板垣瑞生の三人のハンサムな俳優が出演し、主人公は原作少女漫画の物語をなぞりその三人の間を揺れ動くのだけど、でもこれはスクリーンには一度も登場しない、山戸結希監督と堀未央奈の二人きりの相棒映画、バディフィルムな…

さんざんイケメンウォッシュだスイーツヤクザだとバカにされた『ザ・ファブル』がフタを開けたら傑作アクションだった件

まあ正直言うと、僕もさすがに砂川に向井理はねえだろと思っていた。原作を読んでない人に説明すると、砂川というのは東国原やモト冬樹くらい禿げたゲスな中年ヤクザである。向井理が『ゲゲゲの女房』で水木しげる先生を演じた時はまだしも「あっそういえば…

ファーストデーが1200円になったこの時代に毎日1100円で見られる映画館、109シネマズムービルを知っているだろうか

楽天FunPay様でこのような文章を書かせて頂きました。 card-media.infoseek.co.jp この記事の中で、109シネマズムービルを推しているのだが、これは別にムービルのタイアップ記事ではない。ムービルの人も寝耳に水だと思う。僕が勝手に推しているだけである…

映画『町田くんの世界』についてリアルサウンド様で書きました

映画『町田くんの世界』についてリアルサウンド様で書きました。本文はこちらです。 realsound.jp 『町田くんの世界』、原稿にも書いたのですが、原作とややテイストを変えた演出になっていたものの、周囲の俳優たちがものすごくよかったと思う。というか明…