2020-01-01から1年間の記事一覧

映画『ミッドナイトスワン』作品としての評価と、作品への倫理的な批判に対して思うこと

[ネタバレあり]草彅剛主演『ミッドナイトスワン』見てきました。誰もが認めるであろうことを最初に言うと、俳優陣がまず圧倒的に素晴らしい。僕も過去に何度か書いてきた草彅剛のズバ抜けた演技力は今作でも発揮されているし、クラシックバレエで輝かしい成…

論創社『定点観測 新型コロナウイルスと私たちの社会 2020年前半』に参加させて頂きました

執筆者の中に1人だけ浮いてる人がいます このたび論創社から9月18日に刊行される『定点観測 新型コロナウイルスと私たちの社会 2020年前半』 (論創ノンフィクション 005) に参加させて頂きました。 // リンク 斎藤 環「『医療』に何が起こったか」 雨宮処凛…

『劇場』を「沙希の自立の物語」に読み替えた松岡茉優のシュートと、山﨑賢人のアシスト

松岡茉優の挑戦をアシストしたのは山﨑賢人の衛星的演技だと思う デジタルフライデー様で映画『劇場』について書かせていただきました。 friday.kodansha.co.jp 「原作と読み比べた差異で初めて見えてくる映画版の意図がある」ということは色んな場面であっ…

劇団ノーミーツ『むこうのくに』「必要は文化の母」誰も演劇ができない状況下に「誰にでもできる演劇」の胎動

ZOOM演劇という新しい形式だからこそ王道のジュブナイルSF 最近、と言っても去年だけどnoteはじめまして、前半そっちで書きました。これはその続き。よかったらそっちも読んで見てください note.com noteにも書きましたけど、これとてもよかった。ZOOM演劇と…

『のぼる小寺さん』 「憧れ」ではなく「尊敬」を吉田玲子脚本が描くボーイ・リスペクト・ガール映画の名作

『けいおん!』『ガルパン』『リズの青い鳥』の吉田玲子脚本で実写化した青春映画の傑作 デジタルフライデーで「のぼる小寺さん」の記事を書かせて頂きました。 friday.kodansha.co.jp 記事にも書いたけど元モーニング娘。工藤遥、想像以上に良かった。初主…

リバイバル上映『ジュブナイル』20年を経ても褪せない輝き

神保町シアターで映画『ジュブナイル』がリバイバル上映されている。これを書いているのが16日で、公開は17日までだから、ちょっと間に合わないかもしれないが、改めて映画館で見て素晴らしい映画だった。 この映画は特撮CG屋だった山﨑貴監督の初監督作品、…

能年玲奈映画復帰作『星屑の町』と、五輪延期の巨大な空白時間に待ち望まれるNHK復帰

friday.kodansha.co.jp 講談社デジタルフライデーで、能年玲奈さんの6年ぶりの劇場映画復帰作『星屑の町』について書きました。 記事にも書いたのですが、新宿で予定されていた公開記念舞台挨拶は新型コロナの自粛要請で中止。港北イオンシネマでも1席ごとに…

映画『初恋』感想。「弱者と強者」の視点から東映ヤクザ映画のルネサンスに成功した大傑作!韓流華流ハリウッドとも戦える名作の誕生

延期になったドラえもんとしまじろうの席割りを『初恋』にわけてくれ! どうしても今、この瞬間に全力で薦めたい映画というものがある。たとえその映画が冒頭から生首が切り落とされる暴力描写でPG12にレートされていても。たとえ世界を覆うコロナウィルス騒…

週刊はてなブログ様でインタビュー記事を掲載していただきました

blog.hatenablog.com はてなブログのことをはてなブログで告知するのも変な気分ですが、週刊はてなブログ様でインタビュー記事を掲載して頂きました。 ブログを始めたのはちょうど去年の2月だったと思うのですが、「モーメントの倉庫になってしまうかな」と…

炎上している『バイバイ、ヴァンプ』の劇場に出演者の女性ファンがほとんど来てなかった話

16人だった。ちゃんと数えた。『バイバイ、ヴァンプ』公開3日目の日曜日の夜、ユナイテッドシネマお台場のスクリーン5、114席である。ただの16人ではない。人口1000万人の東京都でこの映画を上映しているのは、このユナイテッドシネマお台場のスクリーン5だ…

映画『ナウシカ歌舞伎 ディレイビュー』一週間限定!めちゃ面白い。誰もが知る名作の「翻訳」が自然に教える歌舞伎の文法

ナウシカ歌舞伎を映画館で見てきた。1週間限定で、前後編のうち前編である。4300円。破格の値段だ。しかも3時間15分ある。前編だけで3時間である。途中に15分の休憩がある。インド映画みたいである。 しかしこれがめちゃめちゃ面白かったのである。4300円、…

映画『ヲタクに恋は難しい』ネットで総叩きだが、オタクをバカにしてるのではなく、他者との「恋の難しさ」ときちんと向き合ったオタク讃歌だと思う

毎回毎回叩かれてる映画のことばっかり書いてる気がするが、映画『ヲタクに恋は難しい』が袋叩きになっている。ツイッターの批判ツイートのRT数は2.8万。(追記:その後削除された。別に消さなくてもいいと思うがバズりすぎたのが理由とのことである)比較に…

映画版『CATS』は本当にそこまでバカにされるような映画なのか?という話

普通に面白い。配給は洋ケモナー映画として細田守監督に推薦をもらうべき 劇場映画『CATS』がバカにされまくっている。何しろ欧米でも酷評大喜利みたいなのをやっているらしく、我らが欧米崇拝ジャポンも本家があれだけバカにしているのだから、と安心してバ…