能年玲奈映画復帰作『星屑の町』と、五輪延期の巨大な空白時間に待ち望まれるNHK復帰

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講談社デジタルフライデーで、能年玲奈さんの6年ぶりの劇場映画復帰作『星屑の町』について書きました。

記事にも書いたのですが、新宿で予定されていた公開記念舞台挨拶は新型コロナの自粛要請で中止。港北イオンシネマでも1席ごとに空けて販売という異例の状態でした。

『星屑の町』は下北沢の本多劇場を中心に、25年前から上演されてきた舞台劇。ラサール石井さん、大平サブローさんらメインキャストの年齢設定は30代後半、今の60~70代となった彼らが映画化に踏み切ったのは能年玲奈の劇場映画復帰を支える意味もあったと思う。映画を見ていても、サブローさんの声はもう枯れる寸前だし、正直年齢を隠して物語を成立させられるギリギリのタイミングだと思う。(25年続いた舞台も完結している)今や不動の地位を築いたベテランたちがここまで無理をしているのは、やっぱり能年玲奈という稀有な才能を支えて再び世に出すため、というモチベーションがあるように僕は思えました。

そして、やはりそれに値する才能だと思う。映画そのものは舞台劇のストーリーを転用している面があるので、舞台っぽい台詞回しが残っていたりもするのだが、能年玲奈という人の表情が持っている物語喚起力、映画の中で劇的な瞬間を作る天性の才能というのはやはり目を奪うんですね。

 

3.11の前後を中心に3日連続のNHK出演となりましたが、今後もNHKを中心に能年玲奈さんの復帰は進むのではないかと思っています。東京五輪の延期によって、わずか4ヶ月後までに番組編成に1000時間とも言われる巨大な穴が空きました。多くは再放送などで埋めることになると思いますが、多くの企画が通る余裕が生まれるはずです。能年玲奈さんの才能を待ち望む声の大きさが届くといいなと思っています。