『翔んで埼玉』1位大ヒットでナチス協力者の如く急激に悪化する我々神奈川県民の立場。国際社会に問題視される卑劣な名誉都民しぐさ

f:id:Cinema2D:20190226231344j:plain

ぱるる頑張れ!コメディエンヌとしては48系坂道系OB女優中でもトップ級だと思う


(『翔んで埼玉』のネタバレを含みます)

 

いやさ映画見た人なら分かると思いますけど、東京はまだ全然いいわけですよ。なんだかんだ言って最後にフォロー入ってるわけ。独裁者都知事二階堂ふみ演じる息子が自らの手で引きずり下ろして圧政と差別をやめさせるという映画オリジナルの結末、ムッソリーニレジスタンスが倒したイタリア、生まれ変わった東西統一民主ドイツ的な描かれ方をされてるじゃないですか。「さすが腐っても東京だ」「やっぱ首都はお前だよ」「これからは差別なくやっていこうぜ」的な感じでね、こういったナンセンスな自虐ネタも笑えてしまう、懐が深くてユーモアの分かる埼玉・千葉・群馬・栃木・茨城のみんな、俺たちみんな関東民だよな!という関東連帯意識さえ芽生える中ですね、

「あれ、神奈川いた?」

「いただろ、あの東京都知事に媚びてたクソ野郎」

「ああ、竹中直人が演じてたアレな。神奈川県民あんな感じだよな」

「首都でもねえくせに都会面してな」

ウォーターフロントって、港は横浜にしかねえとでも思ってんのか?」

という、一都五県に漂う薄ら寒い反神奈川感情。なんていうの、対米追従に舵を切ってたら米国大統領が選挙で変わってハシゴ外されました的な。政治ネタを映画感想にもちこんでしまいましたけれども。

神奈川県に何かフォローはないのかと。杉原千畝的に命のビザを埼玉県民に発効する横浜市役所職員とかね。あるでしょ何か。「ああ見えて神奈川県民も温かい血が流れた人間だな」と感じられるような映画的描写が。それがポリティカルコレクトというものじゃないんですか。

このままでは我々神奈川県民に対して

「あの大ヒット映画『翔んで埼玉』で関東一都六県中ただ1つ何も面白くなかった県」

「気取ってるけど結局心に余裕がないのが透けて見えるんだよね、渋谷と違ってさ」

「在日外国人がゼロから発展させた横浜に後から移民しただけで国際派気取り」

三原じゅん子とか中田宏とかロクでもねえ議員ばっか選ぶくせにリベラル面」

「町田市の領有権問題では東京都に強く出られないくせに」

有隣堂が全国チェーンだと当たり前みたいに思ってるところがキモい」

「ていうかさ、東京はともかく神奈川っていらなくない?関東に」

「明日、国連の空爆があっても俺は泣かないね」

「ウケる」

と言う周辺諸国からの風当たりは増すばかりですよ。だいたい崎陽軒よくあの使われ方で商品使用にOK出したな。シウマイ食ってるヤツは人間の心がないテロリストみたいな扱いじゃねえか。いいのほんとにあれで。そもそも神奈川県民自体がほとんど映画に出て来ないんだよな。神奈川バッシングならぬ神奈川パッシング的な。

もちろん我々神奈川県民にも反省すべき点が多々あるのかもしれない。冷静に考えると千葉県と条件的にもそんなに変わらないはずなのになぜか東京に近いかのような態度で他県を見下したというようなですね、あ~もちろんそのような選民意識は私たち神奈川県民にはまったくないわけですけれども、そのように受け取られたとすればですね、これは表現の仕方が悪かったと。また一部の神奈川県民にですね、「47都道府県の中で都道府県名に『神』が入っているのは神奈川県だけなんだよね」などと言った、非常に森元総理的な、神奈川県はマリンタワーを中心とした神の国的な発言でですね、周辺諸国の皆様に対し「ちっクソが」「市町村名なら神田とか神戸とか腐るほどあるだろうが」というご不快な思いをさせたことがですね、なかったとは言えない。しかし私にも埼玉県民の友人がいまして。アイハブアサイタマフレンド。

 

『翔んで埼玉』マジでまさかの大ヒットしてるんでね、(原作が面白いとは言え、映画的にもかなり巧みな構成と演出で成功してると思う)神奈川県民しばらく微妙に肩身がせまいかもしれないですね。

 

あ、あと島崎遥香さん、ぱるるが原作にないオリジナルの家族の娘で、物語の外からツッコミを入れる役回りなんですけど、これが良い。「ぱるるはコメディならこれ」というヒットコースを見つけた感じだと思う。『ニセコイ』のコケティッシュでエキセントリックな女の子もすごい良かったし、女優としてすごい楽しみ。がんばれぱるる