映画『刀剣乱舞』本当に良かったです。まず作品・脚本として優れているというのがひとつ。そしてもう一つは「特撮と本格時代劇を結ぶ新しい定型を作った、今後展開可能なフォーマットを作った」ということだと思うんですよね。そのあたりは公開直後に書いた一連のツイートをまとめたモーメントでも書きました。下の四角の「映画刀剣乱舞感想」の所をクリックすると長ーいスレッドが読めます↓
時代劇で言えば「水戸黄門」とか「大岡越前」とかってみんな当たり前のように見てマンネリだなあとか言ってるけど、あれは日本のエンタメの中である時にある優れたクリエイターが「歴史上の水戸光圀や大岡忠助という人物、これ悪役や事件を入れ替えていけばいくらでも話が作れるじゃん」ということに気が付いたわけですよ。特撮シリーズもそうで、「あっ、このパターンを守っていけば今後色んな物語を盛り込んでいける」という所からシリーズ化がされて何十年後の現在にまで至る。
『刀剣乱舞』続編は必ず作られるというか、小林靖子脚本は単に優れた作品を一本書いたのではなく「この枠組みと手法なら実写時代劇と女子ゲームという二つの文化を矛盾なく接続できる」という文法を発明したわけですよ。ウルトラマンやゴレンジャーやファーストガンダムが後世に続く型を作ったのと同じ
— cdb (@C4Dbeginner) 2019年1月21日
なので、『刀剣乱舞』っていう一本の映画としてまず二つの音楽ジャンルをミクスチャーした名曲なんだけど、今後に歌詞を変えて何度でも歌いついでいけるメロディラインを作ったというのがすごく優れているんだと思うんです。
これは雑誌『H』で刀剣男士の鶯丸役を演じた廣瀬智紀さんも「これなら何でもできる、現代劇も海外展開も可能だ、時代を変える作品になるかもしれない」と語っていて、ああやっぱり作り手にもそういう手ごたえがあるんだ、と思いました。
小林靖子さんという人は脚本家として今作注目されたけど、ある意味でこの映画のあり方や方向性を決めた、未来への設計図を引いたプロデューサーでありグランドデザイナーであるような気がしています。
こういう映画は、やはりヒットしてほしい。パンフレットもグッズも売り切れ祭りで採算としては十分とれてる感じだけど、一般の人にも広がってほしいなと思います。
<追記>
リアルサウンド映画部様で『映画刀剣乱舞』について書かせて頂きました。刀剣乱舞の記事なのにいきなりパトレイバーとか後藤隊長の話とか正気なの?とか、高卒のくせに理解もしてないベンヤミンやらヴェンダースやら引用して法的に許されると思ってるの?と言った非常にクセの強い文章を載せていただいたリアルサウンド映画部様にはまことに感謝を申し上げたい。でも映画を見てからずっとぐるぐる考えていたことが書くことによって頭の中でまとまった気がします。よかったら読んでみて下さい。
あと、これ書いたので「お前ライターだったの?」と良く言われるんですが、全然ライターではないです。単なるツイッターの素人です。すみません。